インドネシアの「子供の森」で

産経新聞の葛城奈海さんのコラムで、オイスカ高校の母体であるNGO

オイスカの活動の一つである「子供の森」計画についての話が掲載され

ました。紹介させていただきます。

□■□■■7月20日(木曜日) 産経新聞■■□■□

 20170720子供の森計画(産経新聞)

直球&曲球  葛城奈海

〈かつらぎ・なみ〉やおよろずの森代表、防人と歩む会会長、キャスター、

俳優。昭和45年東京都出身。東京大農学部卒。自然環境問題・安全保

障問題に取り組む。予備校ブルーリボンの会広報部会長、林政審議会

委員。著書(共著)に『国防女子が行く』(ビジネス社)。

 

 小さな背中が、マホガニーやアカシアの若木の林に吸い込まれて

いったかと思うと、直径7~8㌢㍍の幹に次々に登り始めた。両手両足

を2本の木に渡したまま器用に登り、中空で逆上がりをしている子もい

る。木々は2年前に子供たち自身が苗を植えた。

 インドネシア東ジャワ州の最貧地域であるマドゥラ島を、緑の募金

事業の評価委員として訪ねた。国土緑化推進機構による「緑の募金」

は、国内のみならず一部海外の緑化にも活用されている。そのひとつ

が、同島での「子供の森計画」の支援だ。

 事業を実施する公益財団法人オイスカは、当初大規模な植林を

行っていたが、遠回りでも子供たちの「自然を愛する心」を育むことが

真の地球緑化につながると考え、「子供の森」を始めた。同国では19

93年から累計409校が参加、483㌶を緑化している。

 平坦な地形に田んぼや塩田、タバコ畑が広がるマドゥラ島は、雨期

には洪水、乾期には深刻な水不足が多発。苗木の生育も厳しかった。

その改善にと、2015年、「緑の募金」の支援で4つの小、中学校に雨

水にためるタンクを設置した。冒頭の小学校には、それ以前にトイレは

なく、付近の森で用を足していた。トイレと手洗い場の併設で衛生環境

も改善された。

 子供たちは木々への水やりや草刈りも行う。校庭に遊具はないが、

休み時間には林で喜々として遊ぶ。まとわりつくような熱帯の日差しの

下、木陰で得られる安らぎの大きさは日本と比べようもない。

 情報を聞きつけ、参加希望校が続出、学校の変化を目の当たりに

した地域住民が自主的に自分の土地にも苗木を植えるなど、緑化の

波が広がっている。

 子供たちは木々があることへのはじけるような喜びにあふれていた。

別れ際には次々に私たちの手を取り、額や鼻をつけて敬意を表して

くれる。

 この子たちの姿を日本の、特に都会の子供たちに見せたいと切実

に思った。小さな手の感触は、日本人が忘れている緑、水、人、神へ

の素朴な感謝と、物のない世界で生きぬく、たくましさを教えてくれた

気がした。

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