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「国際開発ジャーナル」誌に掲載されました!


2025年6月3日(火)
「国際ジャーナル2025年6月号」に、本校3年生の鈴木さん、長谷部さん、スエナガさんのインタビュー記事が掲載されました!
「国際開発ジャーナル」誌は、国際開発ジャーナル社により毎月発行されている日本で唯一の国際協力専門誌です。1967年に創刊されて以来、国際開発に関する国内外の動きを報道しています。
本校では、開校以来フィリピンなどにあるNGOオイスカの研修センターの協力のもと、2年生の海外研修として、現地の学生のみなさんとの交流や植林活動を継続して行っています。今回は、この海外研修での体験について、国際開発ジャーナル社の方にインタビューしていただきました。
その時のインタビューの様子はこちら

『国祭ジャーナル2025年6月号』掲載

紡がれる支援の大切さ
NGOとの連携で植林活動などを体験
本連載では、国際協力に取り組む全国の高校生の活動を紹介する。
国際協力の未来を担うかもしれない高校生たちを取材した。

現地研修で視野を広げる
 「もっといろいろな世界を知りたいと思いました」と笑顔いっぱいで語るのは、オイスカ浜松国際高等学校3年生の鈴木さん、長谷部さん、スエナガさん。3 人は昨年、同校が実施する1 週間の海外研修に参加し、鈴木さんはインドへ、長谷部さん、スエナガさんはフィリピンを訪れた。
 国際NGO であるオイスカ・インターナショナルを母体に持つ同校は、地球規模の広い視野を持ちながら、地域に根ざした視点で行動する「グローカル」な人材を育てることを目指している。同NGOと連携しながら1983 年からフィリピンでアブラコース、ネグロスコース2 種類の研修をしており、毎年30 人ほどの生徒が参加する。
 長谷部さん、スエナガさんが参加したネグロスコースでは、NGOオイスカが運営するバゴ研修センターを訪れた。ネグロス島や近隣の島の農業者育成をする同センターは、ネグロス島の経済を支えるサトウキビ産業の低迷を受け、単一プランテーションに頼らない農業者の育成を目指し設立された。2024 年度は、島で盛んな産業である織物の生糸を作るための養蚕業の研修に参加。電動の機械を使わない伝統的な絹糸作りや、絹織物になるまでの工程を見学した。

植林を通じて感じる支援の輪
 フィリピン研修では、「子供の森」計画の一環として植林活動も実施された。「子供の森」計画はオイスカの活動の一つで、現地の子どもたちが自分で苗木を植えることで、自然を愛する心や、緑を大切にする気持ちを育みながら緑化を進めるプロジェクトだ。研修で植える苗木は、同校の生徒たちが集めたベルマークで購入される。
 世界でも有数の災害多発国であるフィリピンでは、自然の力を活用した防災・減災を目指す「Eco-DRR(Ecosystem-based Disaster RiskReduction)」が注目されている。マングローブ林は、海からの強風や台風による高潮から島を守る役割を果たしている。
 植林活動に参加した長谷部さんは、「見上げてもてっぺんが見えないほどに大きく成長し生い茂ったマングローブ林を見て、自分の手から肘ほどの小さな苗が大きく育ち、一つ一つの木々がこんなにも大きな森になることを実感。ここまで植林を継続してくれたボランティアの人々へ感謝の気持ちが生まれ、この先も森を守らなければいけないと思った」と語った。また、スエナガさんは、「はじめは大変そうだと思ったけれど、実際にやってみると楽しく、苦労も含めて実感し、森林を大切にしなければいけないと感じた」と、明るい表情で振り返った。

多様な文化を体感する1週間
 2024 年度からは新たにインドコースも始動。同年5 月に、デリーワールドパブリックスクール(DWPS)の交換留学生を受け入れたことが契機だ。第一回目となる昨年10 月の研修には6人の生徒が参加した。
 生徒たちはホームステイをし、DWPS に通う。英語の授業やインドの伝統的な音楽、舞踊などを学んだり、体育の授業では現地の生徒たちと一緒にクリケットをしたりして1 週間を過ごす。
 鈴木さんは研修での1週間の経験を振り返り、「テレビやインターネットでは見られない、感じられない“多様性”を実感した。宗教や食文化の違いにはじめは驚いたけれど、多様性を認め合う意識が強くなった」と語る。

研修を通じて見つけた新たな目標
 はじめて日本を「外から」見る経験をした長谷部さんは、先生が言う「日本は良い国だよ」という言葉の意味を体感し、些細な日常の風景も見え方が変わったという。そして、さまざまな国の人と関わったり、自分の見つけた日本の魅力を伝えたりできるようになりたいという目標ができた。
 また、長谷部さんは同校の「環境SDGs プロジェクト」のリーダーを務め、静岡県西部、遠州に吹き降ろす強風から中田島砂丘を守る「堆砂垣」を作る活動をしている。植林で感じた「紡がれていく支援の大切さ」を心に、浜松の美しい景色を守る活動を継続していくそうだ。
 同じくネグロスコースに参加したスエナガさんは、フィリピンで対面した貧困の姿について「毎日安全に学校に行き、ごはんが食べられる。当たり前と思っていることが当たり前ではないと改めて感じ、日々、感謝の気持ちを持とうと思った」と語った。そして、大学へ進学したらいろいろな国を旅行したり、留学をしたりしながら、国際関係学を学びたいと意気込んでいる。
 インドでの研修を通じてさまざまな文化、新しい世界に触れた鈴木さんは、「豚肉や牛肉を食べなかったり、ターバンを巻いた人の隣にキリスト教徒の人がいたり、まさに多文化、多様性を認め合う社会の姿に驚いた」と言い、大学では世界の文化について学び、たくさんの文化に触れて、その歴史や成り立ち、広がりを知りたいと希望を語った。 研修を通じて世界が大きく広がった3 人は、「国際系の分野に進みたい」「英語を使った仕事に就きたい」など明確な目標ができ、夢に向かって日々勉強中。鈴木さんとスエナガさんは、英検2 級に合格。現在は、準1級取得のために頑張っているそうだ。これからどのようなグローカルな活躍をするのか、期待が高まる。